さようなら、エヴァンゲリオン。私もこの美しい(こともたまにある)世界で生きていくね。

2021年3月。新劇場版エヴァ、シン・エヴァンゲリオン:||を見た。

 

「マジで完結した」

実も蓋もないけど、一番デカいのはこの感情。
こんなにちゃんと終わると思ってなかった。
だってTVシリーズやってたの95年だぜ?26年前。阪神・淡路大震災サリンの年だよ。
同じ年にやってたのがガンダムWとかでしょ?
これほど長~~い年月を経て、キャス変もなくちゃんと終わったことがもう偉業。
清川さんなんて、もう御年85ですよ。

 


「みんなが大人になれてよかった」

シンジとアスカは、もう大人になれないと思ってた。
いやまあ、大人になった彼らが生きてるのかなんなのかよくわかってないんだけど。
(ラストのあれってどこの世界?シンエヴァの世界じゃないよね?エヴァのない世界って、使途が現れてない、この現実のこと?チョーカー何?)

でも、生死とかは別にして、大人になろう、他人と関わって生きていこうと彼らが思えたことが嬉しくて泣いた。
あれだけのことがあったけど、シンジもアスカも、最後は世界を肯定できたんだなって。


Qの時点で死亡確定だと思ってたクラスメートたちが大人になって生きていたのも嬉しかった。
彼らが、極限状態でも生きることを肯定して、希望を捨てずにもがく姿が村の場面でしっかり描かれていたので、終盤でのシンジ達の決断を祝福できた。
(村のシーンを見ながら、感情移入させといてどうせこのあと盛大に燃やすんでしょ?とか思ってすまんな庵野

すみません、カヲルくんと綾波の存在についてはよくわかっておりません。

 


「ダメな大人どもも救いを見つけられてよかった」

少年少女たち以上に救いがないと思っていた大人どもも、自分の形でそれぞれ救いを見つけて、彼らの物語を終わらせることができた。

 

Qで、たくさんのものを背負ってかたくなになったミサトさんを見るのが辛かったから、最後に本来のミサトさんが見られて嬉しかった。
みっともなく苦しみながら、でもそのつど自分の信じる最良の道を選びとって戦い抜いた姿が、作中随一でかっこいい。
(中の人繋がりだけど)ミサトさんセーラームーンみたいなヒーローだったんだね(世代~!)。
最期の雄姿に泣いた。好きだよ。

 

リツコは内面の成長は別にないと思うんだけど笑、ノータイムでヘッドショットをかませるまでにゲンドウを振り切れてよかったねえ!
エモエモな感じでバンダナを結びあっておきながら、ミサトさんと運命を共にせずさくっと退避するところ、ほんとリツコっぽい。おもしれ―女(最推し)。
母親との確執から母性を信じられなくて、自分は母親にはなれそうにないなんて言ってたリツコが戦後に母親の立場になるんだよね。おもしろいめぐり合わせだなあ。
依存・コントロール・排除の3択くらいでしか他人と接することができない彼女だけど、母親になって寛容や尊重を学ぶかも。リョウジくんすごくいい子だしな。
リツコの変化と成長の物語は、シンエヴァ後の世界にあるのかもね。

 

シンエヴァの冬月先生はユイくんに会いたかったわけではなくて、教え子たち(主にゲンドウ)を手助けするスタンスだったの?
ちょっとよくわかっておりません。

少年期ゲンドウ、まさにシンジの父。ユイのDNAが入ったぶん、シンジくんはゲンドウよりもろもろマイルドになってんだなっていうのが、いやにリアルに理解できたw

 

 

 

 

うーん。

別にエヴァオタってわけじゃないんだけど、TVシリーズのころローティーンだった中年オタクにとって、エヴァは自分の人生の軌道と重なりすぎていて、なんだか客観的に語れない。
登場人物たちが、ただのキャラクターじゃなくて、それぞれ少しずつ自分自身のことみたいに感じる。

 

世紀末のあの頃、時代の不安な空気と自分の心細さの両方を、エヴァはまさしく体現してて、むさぼるように見た。
当時のサブカル界隈に、世紀末にカタストロフが起きてディストピア的な新世紀が訪れるってトレンドがあって、そういう作品は他にもあったけど、エヴァは別格。

 

世紀末のあの頃をひきずってきたエヴァが、とうとう終わった。
新世紀に登場人物たちはみんな大人になって、自分も大人になった。
嬉しいけど、ちょっと寂しいね。
さようなら、エヴァンゲリオン。私もこの美しい(こともたまにある)世界で生きていくね。

 

 


最後に。

けっきょくマリってなんだったの????