本物の歌仙兼定が明治座にいた。舞台『刀剣乱舞』綺伝いくさ世の徒花。

はぁ~よかった。
よかったです刀ステ綺伝。
推しの歌仙兼定がよかった!

演じている和田琢磨さんが、よく研究して台詞や所作をひじょ~~に歌仙に寄せている。7年にわたって数枚の立ち絵と極少量のボイスだけで自分なりの歌仙像をこねくり回してきた私のような面倒オタクにすら、和田歌仙は本物の歌仙に見えた。
成人男性にあの紫髪…?という最初に感じた違和感も、和田さんの演技を見ているうちに雲散霧消。
「本物の歌仙がそこに立ってる!」としか感じられなくなる。
2.5次元すごいな。

そしてこれまで数多のメディアミックス作品が出る中で、初期刀の一振りなのにも関わらずとんと主役に縁のなかった歌仙の、はじめての主人公作品!
歌仙兼定って主人公属性がほんとに無くて…歌仙担が言うのもなんだけど、君はなんで初期刀にいるの?ってほど主人公属性が無くて…。
歌仙を主役にしてドラマを作るのって、さぞやりにくいだろうな~って思うんだけど、脚本演出の末満さんが、そんな歌仙の主人公ぽくないキャラを崩さず、しかもさらに深堀りして、でもちゃんとドラマにしてくれた。


以下、キモオタの歌仙兼定語りなんですけど…

他の初期刀たちがそれぞれの理由から、時に刀としての自分の在り方に迷いが生じるのに対して、歌仙はそれが無い。
自分は優れた主人に愛され、主人の美学を体現した名刀であるという認識と、そこからくる自信は揺らがない。
ただ、歌仙に他の初期刀たちのような葛藤が無いというわけではなくて、それは複雑な形で性格の奥に潜んでいる。

歌仙の元主の細川忠興というのは面白い人で、名家細川家を率いて織田・豊臣・徳川政権の激動の政治情勢を乗り切った優れた政治家であり、同時に秀でた文化人でもありながら、プライベートではめちゃくちゃに短気で、関係ないお茶の本にまで天下一短気な男と書かれるレベルに短気な人だったらしい。

歌仙はそんな元主の文化的な才能をひじょうに愛し、誇りながらも、短気な気質には眉をひそめているのだが、歌仙自身にも、忠興の性質を写し取ったような短気さがある。
そしてリリースからかなり遅れて実装された回想で、歌仙は内弁慶の人見知りという爆弾が投下された。
歌仙の子どものような情の豊かさを描いたこの回想、本当に天才だと覆う。
情が濃いから心を許した相手には短所をさらけ出して甘えるし、いっぽうで対人関係を失敗するのを恐れて人見知りする。
一見穏やかな態度の後ろに隠されたこだわりの強さと情の深さ、そこからくる短気や人見知りや甘えといった子供っぽさ。
歌仙の人物像が補完された歴史的回想である!

う~~ん、主人公にしづらい性格!

 

じゃあ綺伝の歌仙はどうやって主人公をやっているのか?というと、ステ歌仙は別に短気じゃないです!
じゃあ原作と性格違うじゃん!てなりそうなものだけど、短気さを情の濃さと戦闘における勇猛果敢さにうま~~く変換して描写している印象。
それは刀ステの忠興の、愛が重いあまりに何かとキレがち、という人物像と対応している(実際は忠興公って頭良かったはずでは?とは思うけど、脇役にするには多面的すぎる人物なのでバカっp…性格描写が単純化されてるのかな)。

なのでステ歌仙は原作歌仙よりも短所が少なく、大人っぽい印象ではあるんだけど、青江などの気ごころ知れた相手と接するときの内弁慶っぽさや、逆にあまり親しくない相手と話すときのちょっと取り繕った、心の中では人見知りしているんだろうな~と感じさせる和田さんの芝居が絶妙で、そして殺陣では一転して刀ステ随一のパワー系殺陣で苛烈に暴れまくるので、「あ~~これは本物の歌仙!」とオタクも大納得。


そして綺伝の歌仙が魅力的だったのは、なによりも心に溢れる愛情と優しさ。
苦悩しながらも、歴史を守る使命感が揺るがないのは、正史の忠興への愛情から。
その一方で、忠興とガラシャの幸せが続いて欲しかったと願う優しさを持っている。
原作ゲームの特命調査では描ききれなかった、この2つの相反する感情に苦悩し、悲しみを歌へ昇華する歌仙が綺伝では存分に描かれていて、歌仙兼定担として大満足の舞台でした。末満さんありがとう…ありがとう…。


その他よかったとこ
・OPで扇を持って刀たちが舞うとこ、雅~~!「綺」なる世界へと導かれる!
・今回の部隊編成、全員の偏差値が高くて、仲たがいとかほぼ無いので、歌仙とガラシャの物語に集中できる
・原作でも史実でも接点は無いのに仲良し認定されがちなにっかりと歌仙を公式メディアミックスで仲良しにしてくれてありがたい。寿命が伸びた。
・脚本はいつもながら長い。キリシタン大名と少年使節団とか、あんなに書く必要ある…?他の刀の見せ場を作るためなのは分かりますが…
・かいちゃんこと七海ひろきさん演じるガラシャ、つよつよで美~~~~!ここぞとばかりに舞台上に花畑が出現するし花が散るし照明も当たるw
ガラシャ様、自分自身の本当の願いを悟れないばかりに周りを巻き込む迷惑この上ない存在なのに、かいちゃんが強さと美と純粋さで押し切ってくるので説得されるより無い
・忠興とガラシャの幸福な時代を見守る歌仙の優しい声と表情…。和田琢磨さん本当に芝居が上手い。
・歌仙はああやっていつも忠興の言葉を聞いて、語り掛けていたんだろうなあ(そして性格が似たんだろうなあ)
・歌仙の真剣必殺の場面、テノールが朗々と鳴り響くなか、威風堂々と見栄を切りながらすっぽんから競りあがってきてパワー系殺陣で大暴れするのが面白すぎて笑いをこらえた。最高。
ガラシャを斬ったあと、泣き崩れる(見切れ席なので上手が見えてないけどたぶんそう)地蔵くんを叱咤する歌仙の厳しさと優しさ。もはや父性。
・古今伝授に対して歌仙がけっこうハッキリものを言うのがいいよね。
・爆速で修行から戻ってきて極める歌仙。極衣装よりは特衣装のほうが好き派なんだけど、和田さんが着ると極衣装も不思議と自然に見える
・エンディングの傘、いいよね~。歴史上人物の男性たちを周りに置いて見栄を切るガラシャ様、美しいです
・自分の傘をたたみ雨に打たれるガラシャ様に傘をさしかける歌仙のやさしさ…
和田琢磨様、すばらしい歌仙を演じてくださってありがとうございます。

 

追記:すごいタイミングだけど、2022年4月3日、明治座大千秋楽の当日に原作ゲームの大侵寇の最後のレイド戦が突破されて「朔」のストーリーが公開され、初期刀贔屓の審神者は残らず死んだ。歌仙が7年間のゲーム・メディアミックス全部ひっくるめて(多分)はじめて自作の歌を披露して、歌仙贔屓の審神者は綺伝から続く雅の過剰摂取で死んだ。

大劇10割打者!天才オタク演出家・野口幸作

 

(今日は2022年3月14日、宙組ネバーセイグッバイのムラ楽で、たぶん明日まかぜ退団発表なので超いまごろだけど前公演の感想を投下)

 

いや~よかったですね、2021年秋の宙組デリシュー(作・演出 野口幸作)!

めちゃくちゃ楽しくてテンション上がって、珍しくDVDまで即購入してリピってる。

 

デリシューは天才オタク演出家こと野口幸作先生の大劇4作目。

星エンターテイナー、雪スーパーボイジャー、花ビューティフルガーデンと、過去のショーがどれもそれぞれに素晴らしく、いまのところ大劇で駄作なし、驚異の10割打者の野口先生である。

だから宙ファンとして発表があった時からとってもとっても楽しみにしていた…のだけど、実はちょっと不安でもあった。

 

というのは、野口先生のこれまでの大劇ショーって、みっさま→だいもん→みりおと、芸達者のトップ様が歌に踊りに八面六臂で大活躍する、トップ様のお力あってこそ成り立つ構成じゃないですか。

技量が優れたトップ様には駄作をも並みくらいまで引き上げる力があるので(思い出すね花メサイアを)、野口先生のこれまでの成功って少なからずトップ様のお力なんじゃね~の~?って半信半疑で見てたところがあり、宙は…だいじょうぶかな、と…。

 

宙トップであらせられるまかぜ様って、なんていうか…技術が卓越しているタイプではないっていうか…こう、オーラで魅せる?みたいな?ところあるじゃないですか…?(モニョモニョ)

だからトップ様絶対信奉主義なヅカオタの野口くんとは相性悪いかも?って、そんな一抹の不安を感じながら見たんですが…

 

ぜんぜん問題なかった!!!

なぜなら野口先生が巧み。

その生徒の良さを引き出す足し算の演出とともに、その生徒が苦手なことはさせない引き算の演出もしつつ場面を作っているので、見ててストレスがなく、ず~~~とただただ楽しく心地いい場面が続く。

野口先生って足し算がめちゃくちゃに上手い演出家っていう印象だったけど、実は引き算もできるんですね。無敵か?

野口幸作、ヅカの宝です。

 

余談だけど野口先生がパンフとHPインタビューでなぜかパティシエの扮装をして写っていた(しかも色違い)。

こんなことする演出家、はじめて見た。おもしれ―男。

 

 

以下、好きなとこだけチラシの裏。長っい。

 

<新トップコンビ、まかかの>

ここまでまかぜディスみたいに書いといてあれなんだけども、私はまかぜさんが大好きなんです。

劇場ではまかぜをオペラするし、部屋にはいつもまかぜのブロマイドを飾ってる。

スターといえど技術力重視の昨今にあって、ビジュアルと男役芸でねじ伏せる珍しいタイプ。

舞台でぼけーっと突っ立ているときですら目を引く存在感。

一人だけダンスがずれていても、まかぜのダンスが正しいと思わせるオーラ。

やっぱりヅカは夢の世界なので、こういう夢みたいなトップ様が一人くらいはいてほしい。一人でいいけど。

 

そんなまかぜもボチボチ退団カウントダウンかな~とか言ってたら、まどかと生き別れ離婚して若い嫁と再婚したのでひっくり返って驚いたが、そんな新トップコンビまかかのお披露目公演の本作です。

 

潤花ちゃんいいね!

まかぜと同じで、技術が卓越したタイプではないけど、真ん中にどすんと置くとなぜかハマるスター性。

黙っていると大人っぽい華やかな美人さんだけど、笑うと天真爛漫な笑顔が眩しい。まさに大輪の花。

まかぜと並ぶと長身どうしゴ~ジャス~~!美~~!だし、作画が同じで相性が良い。

技術的に物足らないところはあるけど、身体能力が高くて、かつ美声なのでまだ伸びしろがありそう。若いですしね。

あと体格が健康的(※セクシーの婉曲表現)なのもいいですよね。まかぜが体格がいいからと並ぶとちょうどいいし、なにより健康的(※セクry。)

 

前妻のまどかと並ぶと幼女誘拐犯みたくなってたまかぜだけど、やっと似合いの嫁をもらってよかった!

まかまどはお互いに合わせようとして無理をしてる感じで、最後までう~~ん?と思いながら見てたので、まかぜは若い後妻と余生をエンジョイしてほしいです。新年のカレまどはコロナ休演で見損ねたので、まだなんとも言えない。

 

 

新トップコンビの印象だけでもうこんな長いけど、未来の自分が読んでニヤニヤするために場面の感想を書きなぐっていくぜ!

 

幕開き~カンカン

・テカテカひらひらの菫色の丈長モーニングを着こなすキキちゃんの超絶スタイル見ました?

・スウィーツの妖精?すっしー、まっぷー、まりちゃん、さよちゃんの衣装のゆめかわぶりがすでにもうヤバい。そしてのこのゆめかわ衣装を組長副組長上級生に着せる野口君のセンスがヤバいし、それを着こなす4人がヤバい。特にさよちゃんの足運び、あのとんでもないゆめかわロリポップ衣装に対する完璧なアンサーです。

・で、でた~!野口先生恒例、ゴンドラで登場するトップ様っ!!

この場面は下手にいる5人に比重があるから、まかぜがゴンドラで降りてくる演出上の必然性って無いと思うんだけど、なにがなんでもトップ様はゴンドラで登場させたいんでしょうね野口先生はw

・カボチャパンツから純白ドレスに一瞬で変身!乙女の夢っ!!髪型まで変わって!!ここで「キャッ」っていう潤花ちゃんの喜びの声がまたかわいいんだよね~~~

・嬉しそうにくるくるする潤花ちゃんにニコニコしてたら、場面が早変わりして一瞬で白い衣装で着飾った組子が居並ぶ大階段が出てきて総員で華やかに歌い踊ります。なにこれ夢かなにか?現実?マジで?

・これも野口先生恒例~~~!白い羽根扇。優雅でゆめゆめしくて好き。

・デリシューの白×紫の娘役のメイン衣装がすごく好き。クラシカルなデザインが宙らしい。ビューティフルガーデンの黒×ピンクの娘役衣装と並ぶくらい好き。野口先生は娘役衣装のセンスが素晴らしいですよね~

・で、でた~、野口先生恒例、名前をもじったこっぱずかしい歌詞連発の「胸キュンキメドレー」だ~~~っ!

・チョコケーキを頭にかぶりながら真剣にキザるずん。立派になって…。

・娘役を侍らせて歌うキキちゃんに花組の遺伝子を感じる。ちゃらい。

・メドレーの締めはトップコンビ…だけど歌は留依&花宮の若手歌うまにがっつり歌わせ、まかかのは真ん中でなんか大人っぽく絡む。圧倒的正解。これが見たかった。歌のうまくないトップに無理に歌わせなくていいのよね。

・留依は美声の歌うまでダンスもできて芝居も上手くてしかも長身な宙組の宝なんだけど、大劇ではなかなかこれという役がつかなくて…。早く留依に歌の場面を与えてくれ~~!と思い続けてきたのが実現して、本公演で留依の美声が響いて感無量。野口先生ありがとな!!

・あっきーなさん、きゃのんさんのベテラン退団者への餞別場面も抜かりなし

・トップコンビが銀橋を可愛く歌って渡り(※じっくり聞かせるタイプの歌を歌わせて粗を見せたりしないのがポイント)、まかぜが「がんばれ!」みたく潤花ちゃんの背中を押して、潤花ちゃん中心の場面へ移行。こういうオタク的に嬉しい演出が各所にまぶされてんだよ野口ショーはよ…

・潤花ちゃん中心にカンカン。潤花ちゃんは運動量の多い、見ていて気持ちのいいダンサーだけど、娘役にしては足さばきが雑w…なんだけども、そのおおざっぱな動きが気にならず、明るくて健康的(※セクry な個性が活きて、しかもフランスというショー全体のテーマにも合った題材として“カンカン”をスッと持ってくる…。野口先生、恐ろしい子

・娘役のメイン衣装は、普通に立ってるとクラシカルでおしとやかなイメージだけど、カンカンでスカートをまくるとパニエの紫色が華やかで、印象がガラッと変わる。美庭の衣装もスカート丈を変えて2wayで使ってたし、こういうとこ野口先生は本当センスいいよな~

 

プチトリアノン

・2m超のキキトワネット様ご登場wソロは、高音もしっかり出てるけど、男役歌唱に慣れているだけにちょいちょい高音の入りの音が汚いのがコミカルで逆にイイ!(狙ってる?)

・組長以下、最高学年男役で固められた女官たちがまろびでるように登場。これはひどい。迷場面の予感にうちふるえる。

・疾風怒涛のイケメンスウィーツたち!

・マカロンはいろいろあっての押し出し人事で、なにしにきたのかよくわからんが星から宙にやって来たしどりゅー。生まれたときから宙にいますが?みたく馴染むのはいいけど、大人しい。もっとアピールして目立ってくれ~

・短いけどここでも留依ソロ!野口先生に感謝。そうなんです留依はコミカルな芝居も上手いんです

・フレッシュいちごちゃんたちの歌とダンスが絶妙にうっとおしいw

風色くんは万博アンバサダーでエアコンのCMに出てるのをみたけど、口跡がよかった。お顔だちもパーツ配置が整っていて、輪郭がシュッとしたらすごくかっこよくなりそう。

今回新公主演の亜音くんは目立つ小顔のキラッキライケメン。

・ところでさっきから脇のめだつところにいて気になって仕方がない、ベースが花影アリス様・目元が伶美うらら様みたいな超絶美少女が、新公ヒロインの山吹ひばりちゃんか!入団時から話題になってたけどやっと認識できた。美っ少女!ええ~…、ほんとに美少女…好き…(ちょろ)

・じっとり陰気なもえこ&たかとのスミレの花の砂糖漬けですっしーとともに泣くほど笑う。テンポが最高すぎんだろ。

・そらクレープ。そらは上手いけどいかんせん宙では身長が小さすぎるんだよね…雪への異動はそらには良かったかも。(あーさとキャラが被るとか2・3に微妙路線並べてどうするんだとか、雪は雪でいろいろあるけどな!)

「この声は…フェルゼン♥」の茶番とともにまかぜ登場。まかぜデター!wwwという脱力感をディスコダンスで強引に押し切るんじゃないw

・身長173cm研15星出身花育ちの御曹司2番手様のダルマ姿を銀橋で拝むことになろうとは。もう草しか生えないwwwwww

・歌劇の演出家対談でプチトリアノンの場面を野口先生が説明してるのを読んだときは「おまえはいったい何を言っているんだ?」と思ったけど、実際に見たらその説明が100パーセント正確だった衝撃。

・対談のなかで、野口「少し可笑しいシーンなんです」→まかぜ「少しどころではない」→一同爆笑、みたいな流れがあり、あのおっとりしたまかぜが演出家先生にツッコミを入れるほど…!?と思ったけど、これはまかぜが正しい。よく言った。

・てか野口先生1983年生まれ?若~!まかぜと3つしか違わないじゃん

 

フォレ・ノワール

さあSMショーのはじまりだ…!

・いやマジでなんでゆめかわスウィーツショーに急にSMぶちこんだの?びっくりしたよ。

・ずんの女装の、ホットパンツはまあいいんだが、もさっとした上着が野口先生にしては微妙。キキ先輩がダルマになったんだから、お前もズバッと脱がんかい!

という気持ちから、個人的に、この場面のずんの役は女装のM男であるという結論に至りました。(同じご意見の人けっこういるみたいね)

・幕があくと、ベッドぐらいあるデッカいチョコレートケーキのうえに深緑色の軍服を着たまかぜが座っていて、極限にキザりながら「ボンソワ~~~ル♪」と歌いだし、露出度の高い格好でまわりに侍っている上級生お姉さま美女軍団がその歌声に「はぁぁ~~ん♥」ってなります。

・いやマジで

・なななな、なにがはじまるんだ…?と息をのむ我々の前でまかぜが女装ずん(身長170cm研13正3番手生え抜き御曹司)を鞭打ちして今度はずんが「はぁぁ~~ん♥」ってなって、もうなにがなんだか???

・ノリノリなご様子で椅子でシャーって運び込まれてくる潤花ちゃん

・美女の登場にびびるって後ずさるずん、まかぜを潤花ちゃんに取られて床をたたいて悔しがるずん。あまりにも上手い。ずんは負け犬チンピラの役が昔から異常に上手いんだよね…その芸風、路線としてどうなの?wと思うけど、ずんのそういうとこ好きです。

・潤花ちゃんとずんのキャットファイト!ぴちぴちの新妻なのに女装三番手スターにビンタされたりしたりするのがひじょうに似合う潤花ちゃん。その芸風、トップ娘としてどうなの?w好きです。

・というかこの怪しげな美声のソロは…瑠依!!!!!すげえ!がっつりソロ!しかもこんなクソ難しそうなフランス語の歌を!これだよこれが本公演で見たかった~~~!野口先生感謝!!!感謝!!!

・瑠依ソロも聞きたいし、やたらと腰を落としたりドッグスタイルになったりと普段ヅカでやらないなんかすごい振り付けで踊りまくる組子たちも見たいし、目が100個ほど必要な場面

・この場面、下品という批判をうけて振り付けが変わったらしく、修正前のはどんなかよく知らないけど、まあ確かにあまりに「それ」な決めポーズが多い。ダンスとしては好きだけど、ヅカではこういうの見たくない!というファンの気持ちもわかる。

・ヅカの品格が~とかで野口先生が苦手な人もけっこういるよね。私は大好きですが…。人それぞれ。

 

負け犬ずんのソロでSMショーが終わり、とんでもない場面のあとにやたらに陽気なナンバーで強引に空気を変えるいつもの手法でラテンぽいフルーツちゃんたちの場面に。

山吹ひばりちゃん、端だけど銀橋の上に。強い。そしてやっぱ美少女。

健康的でまぶしいダルマ姿で男役を引き連れて銀橋をわたる潤花ちゃん。

若いし外様なのに臆する様子が無くて、楽しそうにのびのびしているのが見ていて気持ちがいい。胆力がある。そして輝くような明るい笑顔。ほんとマブい美女。好き。

各スターの場面を挟んで華やかな中詰め!

 

宙組って、ずん以下三番手が小粒なのは否めないにしても、スターの頭数が多いし破滅的な音痴がいなくて、さりげに今一番安定してる組だよね…。(半端路線を量産している、ともいえるけれど。宙組伝統芸能ハシゴ外しが、次はいつ誰に炸裂するやら…)

 

キャンディ・ケーン

突然のクリスマス!なんで?

娘役の可愛い銀橋ソングから、野口先生恒例、2番手様のダンス場面!

と思いきやキキ、ダンスもするけどすごく歌うね???

カレーとさきなのときは歌は無かったけど、キキは踊りながらでも歌も上手く歌えるから入れてきたのだろうか?野口先生たら、過激な妄信ヅカオタと見せかけて冷静にジェンヌの力量を見る冷静さも持つ、クレバーな男。

相手役は今回惜しくも退団するらら。淑やかでありつつも明るい佇まいの、いい娘役だった。

 

パティスリー交響曲

まかぜによる、コロナによるパリのロックダウンを思わせる歌。

そこに退団者たちが加わって虹色に並び、明日へかける希望を歌う。

つらい世相でも希望を届けようとする、野口君の、ひいては宝塚歌劇団の意志が伝わりホロリ。

 

そして一転して赤白ピンクの超絶かっわいいマカロン衣装をまとったロケットガールズによる、華やかな巨大カロンタワー!

ああ~華やか…美しい…多幸感…脳内になんかの幸福物質がビシャビシャでる…

 

美庭はアナスイだなって思ったけど、デリシューはピエール・エルメ

カロンタワーのお衣装はイスパハン。ぜったいみんな好きなやつ。

かんわいいマカロンのお衣装なのに真ん中で超絶キザってるなんか面白い子はなるくん。

 

そして群舞へ。

大階段で再び娘役に囲まれるキキ。ちゃらい。花男のDNA。

男役群舞から、話題のまかキキデュエダン!

ショーのタキシード場面で男役1・2がここまでがっつり踊るの初めて見るかも。

キキを見ずに伏し目がちに踊るまかぜと、まかぜを情熱的にじっっっっと見つめるキキ。

な、なんなのこれは…私は何を見せられて…?

 

と戸惑い始める頃合いに大階段に正妻のご登場~!

ハイハイここで相手役交代してキキはしばらく二人の後ろで歌ったあとで笑顔を浮かべて裾にハケる流れね~~デュエダンの冒頭まで残るなんて、さすがおキキ様はつよいわね~~

などと思いつつ見ていたが…

え?キキがハケないwwww

まかかのが盛り上げっていくのに合わせてキキのお歌も盛り上がり、いっこうにキキがハケないwwww

なんとデュエダンの最後までキキがいるwwww

このショー最後までおもしろすぎるだろうwwww

 

パレードは再び最初の白×紫のお衣装で羽根扇をもって!

は~、このドレスほんと好き。美。

幸せに満たされ、永遠にこの時間にとどまりたい…という気持ちとともに幕。

推し組×野口ショーの威力はヤバい。良すぎて気が狂ってしまう。

野口幸作、ヅカの宝です。

 

 

 

そして2021年のクリスマスの夜…

 

ああ~~9月のデリシュー最高に楽しかった、天才・野口幸作の次のショーはなに組かしら~~~〇〇さんで見たいし〇組でも見たいし~~

 

などと浮かれるヅカオタを震撼させるニュースが飛び込んだ…

 

 

宝塚歌劇団 宙組

TAKARAZUKA MUSICAL ROMANCE

『HiGH&LOW -THE PREQUEL-』

脚本・演出/野口 幸作

 

 

HiGH&LOWってあのHiGH&LOW?

EXILEでヤクザ?ヤンキー?でキャラが濃くて顔のいい男たちがひたすら抗争してるっていうあのHiGH&LOW?

世のオタクを狂わせてきたというあのHiGH&LOW?

を、宙×野口先生で?ちょっと劇団が何言ってるかわかんないんだけど?

ひとこにガンダムに乗ってたくさん人を殺してほしいとか、れいまいで五条悟と夏油傑をやってほしいとかまかぜに水戸黄門をやってほしいとか普段めちゃくちゃなことを言ってるヅカオタだけど、さすがにHiGH&LOWと宝塚歌劇団が公式に並ぶ字面を生きていて目にすることがあるとは思わなかった。

絶対にはちゃくちゃに楽しいし、しかも宙組が連続で天才・野口幸作だし、ええ~~~こんな…こんな…ほんとにいいんですか…?現実…?私の妄想じゃない…?

てか大劇のまえにLDHコラボのまかぜコンまであって、それも野口先生!

たぶん時期的にまかぜこれで退団…え?ハイロ―退団?さすがに面白すぎんだろマジか…

 

こんなにサプライズなクリスマスプレゼントを貰ったのは初めてです。

野口幸作、おもしれー男。ついてくぜ。

 

夢の王国へ、再び ―プリライ7th感想メモ―

2021年11月27日、16時半。

客席に色とりどりのペンラがともり、1日目の開幕。

ファンタジックプレリュードが流れてスタリ7人がすごい高さにせりあがってくる。華やかな歌声!

うっわあ、キングダムだぁ~!キングダムじゃんこれ!

キングダムでうたプリ落ちした新参オタク、早くも感激。

 

いやでも待てよこれは…?もしかして…キングダムどおりのセトリなら…

ってやっぱカルナイきた~!ワールドイズマイン!

どうみても3人しかいない泣。「うちは最初から3人だが?」みたいなクールな編成で歌い踊っているが、音響が下手で生音声と録音の音量のバランスが悪く、ハモリが綺麗にならない。やっぱり4人でないとダメなのか…?とちょっと悲しくなる。

 

てか次確実にヘブンズじゃん!えっイケメンシャンデリアくる?と思ったらふつーに地面を歩いて出て来た(それはそう)。さりげに緑川光さまを生で見るのこれが初めてなんだわ…かれこれ15年以上推してるのに初めて。といってもスタンド席なのでステージが遠すぎて誰が誰だか笑。米粒。

 

ギラギラセブン楽しー!好き!そのままヘブンズパートに突入、まさかのヘブンズゲート!!!ええー!ヘブンズゲート大好き芸人なんだが!?嬉しい!

センターでとんでもない高さにせりあがる緑川!神か何かか?

というか音響~~~!山下さんの声拾えてないよ!歌うまなのに!ハモりとメインボーカルの音量バランスもまだおかしい。

 

やや冷や冷やしながら見ていたが、ヘブンズゲートが終わり、そのままぬるっとMCに入る。笑わせつつも、療養中で欠席の代永さんと代永ファンを思いやる優しいMC。緑川が小野Dさんに無茶ぶりして、Dがナギの口調で代永からのメッセージを可愛く読み上げ、顔をおおって照れる。Dはがんばった。可愛さで代永および観客と競いあおうとする緑川。お前がナンバーワンだよ。代永の黄色いリンライを全員でつけていることも紹介。その情の深さ、とてもヘブンズぽい。

 

MCのあと、まさかの不滅のインフェルノ!!またも初期曲!これも好き!こんなに私の好きな曲ばっかりいいんすか?ていうか新曲ご披露しなくていいんすか?などと余計な心配をしつつも楽しむ…が、悲しいかな、遠くてほんとステージが見えないw

★(二日めライビュ補足!)ギラギラのナギパートで「ナギナギ♪」と歌いつつナギの黄色いリンライを見せるヘブンズ。情が深い。歌ってる時の立ち位置も、ナギの位置がわざと空けてあって、7人でヘブンズ!という公式の主張が伝わる。緑川はMCで「責任をとります」といって、今日は自分が代永のメッセージを可愛く読む。沸く客席。体をはって伏線を回収する男、緑川。★

 

 

ヘブンズでリラックスしたところでカルナイパートおおおおお!

鈴木さんがあれやこれやの超・超・超センシティブ案件で欠席だからセトリはどうなるの?グループ新曲やるの?と思ったら、たぶんライブ初披露のダンシングオーバーナイトから。音響もやっと安定。かわいくて多幸感あっていい曲だよね~楽し~3人でもがんばってる~

からの~?ララララブエボル???!!

はあっ!?ソロ新曲あるんすか!?てことは大大大好きな嶺二のオーライ・オールナイトが…?森久保さんの生歌で聴ける…?はぁはぁ………動揺。

 

すいませんちょっと心ここにあらずだけど蒼井さんラブエボかっけーっす。からの前野さんのスチュワード・ダンス。いろいろ可愛い振り付けがあったっぽいけど遠くてわからねぇ!

いいんです今日はたぶん一生に一度のドームライブの雰囲気を味わいつつ緑川と森久保を肉眼で観測することが目的なのですから。

 

そして~~!森久保登場~~~!ArANだあ~~!

序盤抑え目でそこからダンス入れてボルテージ上げて客席煽ってくる~~!すっごくれーじ!わかる!れーじこういうライブする!え?てかダンスで腰振った!?はぁ?エッロ!!エロ!!!

※森久保さんの腰振りに興奮しているのではなく、森久保さんのパフォーマンスを通じて公式から提示された「寿嶺二はこの曲では腰を振って踊りますのでよろしく」という情報に興奮しております!!

 

森久保ガンガン踊ってる…がんばれ…けっこうな年齢なのに嶺二によせてダンスまでしてくれて、森久保ありがとね…などと雑念を交えつつ緑に光る棒を振る。声を聞かせて、って客席を煽るところの歌詞をちゃんと変えててくれて(声出し禁止だからね)、優しいよ~!けどコーレスしたい~!この曲はコーレスしたい!でも森久保の歌が上手いので満足でっす!高いキーでエロく歌いやがるやんけ(もはや口調がおかしい)。この曲…こんなにエロいんですね。知ってはいたが。知ってはいたが、演出が入るとよりエロい。

いやほんと嶺二だった…この曲聞けると思ってなかったからほんと嬉しい……来たかいあった…

★(二日めライビュ補足!)昨日よりはちょっと冷静に曲の表現を見れた気がする。

ダンスなしで抑えめに歌い出して、♪恋をしたんでしょ?で距離を縮めて、ダンスで腰を振って誘って、コーレスで煽って欲しがらせて、そして最後はついてきなよ僕に!!でしめる。寿嶺二、ずるい男だ…。

MCで森久保が「れいちゃんはよく腰を振るんだよね」と苦笑。嶺二に付き合って腰振ってくれてありがとう森久保。しかもダンスが大変で鍼を打ってがんばったらしい。森久保様マジありがとう!

 

 

嶺二曲が終わる。当たり前だけど蘭丸のソロ新曲は無い。あれこそライブ曲なのにできないの寂しいよな…と鈴木氏への複雑な感情を新たにする。なにしてくれてんだおめーはよ。ランランの名前に傷をつけやがってよ。おかげでやっと開催できたプリライで新曲が披露できないじゃんか。でもマジでいい仕事するしランランの声は鈴木さんしか考えられないのでけじめをつけて戻ってきてほしい。そんな感情。

 

…と思ったら「ダンシングな曲をやってもいいですか~?↑↑↑」と森久保が陽気に言って、他の二人も出てきて、ワインレッドの照明とともに聞いたことあるイントロが…?

オンリーワン!オンリーワンじゃないか!!

ステージ正面に置かれた誰もいないスタンドマイク。流れるランランの歌声。バキバキに踊るカルナイ三人。固まったのち泣き始める前の席の黒崎担。何万本もの赤いペンラで染まる客席。黒崎蘭丸はここにいるんだ…公式からもファンからもこんなに愛されて大事にされてるんだ……とほろり。

 

カルナイMC。鈴木さんのすの字も出せない異常な緊張感を(勝手に)感じたが、「今回はカルテットナイトとしての100%の状態で皆さんの前で表現ができないですが…」「カルテットナイトの四人と僕らで…」等、配慮に満ちた森久保のMCの安心感よ。ありがとう森久保。夢の舞台で鈴木さんの名前が出ると嫌な思いをしたり辛くなったりするファンがいるだろうから、鈴木さんの名前は出さない・でも黒崎蘭丸はちゃんと居ることをファンに伝える、という運営ちゃんのスタンスがありがたい。晴れの場でランランを抹消しないでくれてありがとう。

 

 

最後はキズナ

森久保のステージングが上手いな~!客席を盛り上げる盛り上げる。こういうとこできっちり嶺二を演じながら、同時にハイレベルなパフォーマンスをしてくれて、リアルにカルナイのライブがあったらこうなんだろうなと解像度が上がりまくる。たびたび言うけど、多方面についてほんとにありがとう森久保さん。運営は森久保に豪華なお歳暮を贈ってあげてください。

 

★(二日めライビュ補足!)カメラワークが蘭丸視点。オンリーワンの歌い出しで赤いペンラで埋まる客席がステージ側から映るのが、蘭丸の存在を感じさせて神演出。キズナは、蘭丸が嶺二の車の助手席に座ってるシチュエーションでの小芝居。ハンドルを握ってずっとにこにこしてる森久保、にらみつけてくる前野さん、なに?って感じでツンツンする蒼井翔太。カルナイの解像度が上がって助かります。★

 

 

そしてスタリパートへ。

ド派手な火花からのドキドキで壊れそう♪…で入るはずが、誰かが歌い出しを盛大に出トチりして先に歌っちゃって、見てるこっちがドキドキで壊れそうだよwスタリみんな楽しそう。きしょーがむちゃくちゃテンション上がってて、他の人のパートでもずっとヒャ~アッ!って叫んで跳び跳ねてるw

マジラブからのシャイニングロマンス。初期曲くるねぇ!コロナで一年半も延期になったけど、本来10周年ライブだったはずだから振り返り的な曲目が多いのかな?

テンションが上がりすぎて「うぁいたぁぁいぅおぅ(会いたいを)」と歌いながら顔芸しながらカメラに追いすがる宮野に笑う。楽しそうでなにより。鳥海はなんだか徳が高そうっていうか、謎の神々しさがあるね。自パートすっ飛ばしてても神々しい。

で、そっからのあの歌うのクソ難なグループ新曲、スターウィッシュ。うわ~、マジで生で歌ってる!うまい。一人一音で当てるくだりなんかすごく難しそうだけど、きっちりキメるじゃん…すご

 

スタリMC。楽しそうにはしゃぐスタリおじさんたち。楽屋でずっと本意気で練習していたことをさっきMCで森久保にバラされていたけど、おじさんたちほどのベテラン歌うま声優でもひさびさのドームライブは緊張するんですね…。

 

恒例の鈴村による新情報で一時間の新作テレビアニメの告知!声だし禁止だけど、この時ばかりは会場全体から驚きと喜びの声が。新作アニメ楽しみすぎるな~!

ウィーアースタリで締め。スタリ曲は華やかでライブで楽しくて良いね~

 

ちょっと休憩的な映像タイムでキングダムのシャッフルユニットの映像が流れる。なにも考えず見てたらアップダウンアップが始まって、えっっっ!?シャッフルユニットやるんかーーい!!(ソロ新曲かと思ってた)てことは相愛…!??ちょっと心の準備が…!

★(ライビュ捕捉!)アップダウンアップの三人、原作の振りをほぼ完コピで踊ってるんだけど、え?声優さん…ですよね?すごすぎ。てか今回、全員超踊る★

 

エゴは、お歌がその、アレ、どっちかというと、その~、得意とは…言えない緑川を、歌唱力の権化のきしょー・鈴木がサポートする曲だけど、鈴木さん不在のためきしょーが頑張る。間奏のフェイクのとこもぜんぶきしょーで、きしょーすまんな、ありがとう…という気持ちに勝手になる緑川ファン。せめて鈴木さんがいれば…と鈴木さんへの複雑な感情ry

★(二日めライビュ補足!)初日見えなかったけど、緑川けっこう動いてるな…?!ロックナンバーだからダンスではないけど、瑛一をイメージしたであろう動き。なるほど瑛一は歌うときにそう動くのか!と発見が。大股開いて立つのわかるわ~。

そして間奏の高音フェイクを今日は緑川が一人で!!緑川のフェイクもあんな高音も初めて聞いた…!足手まといになりたくないから人一倍練習したってMCで言ってたけど、新しい挑戦をしてるんだ…。何歳になっても甘んじず挑戦する男、緑川。かっこいいぜ。★

 

フェザー三人はハモりが美しい!この三人、声の相性がすごく良いなぁ。とんでもない高さのせりあがりで映画を再現。(ライビュで見ても安全ベルトが見当たらなかったんだけどどうなってるんだろうか)

 

そして相愛。

相変わらず遠くてどれが森久保かもわからん!でも声の表現とかを見るに、この歌の嶺二はエロくて弱々しい感じなんですねなるほど勉強になります。一番を歌ったところで照明が落ちて無音になり、えっ!?終わり!?とおもったらキングダムのMCのあの小芝居をここで挿入!光る百合も出てくる!こ、心憎い演出~~~!

ところでどうして森久保だけ襟元ぱかーって開いてるの?セクシーアピール?

 

カラスパ下野さんめっっっちゃアイドル。アイドルぢからがはんぱねぇ。これぞアイドル。キラキラしてる。ピンクがこんなに似合う40代男性いる?

 

カレスコで気球が登場!宮野鳥海木村がそれぞれ気球に乗って客席上空で歌うw鳥海さんが上空に来たのでここぞとばかり緑の棒を振ったらこっちむいて手を振ってくれた~!!(おそらくあのへんの席の数百人が同じことを思ってる)

 

気球にはしゃいでいたら緑川のナレーションが…!?こここれは愛捧…!!

キングダムのセトリを引き続き再現すか!とテンション高く見てたらヘブンズが全員ばらっばらのシャッフルユニットの服のまま出て来て少し笑う。木村良平が直前まで気球に乗ってるので、着替える暇がないのはわかるけど、前半に着てた愛捧ぽい緑色のお揃いの衣裳は着ないのかい!w緑川なんか胸にばってんのベルトがついたエゴの衣装のままだぞ?w

…などと半笑いで見てたが、「愛を捧げよ」と順番に言ってくシーンで、あれ、これ最後に緑川が言うやつ…と気がついてしまい、赤く光る棒を握りしめて真顔でその時を待つ。

 

 

 

 

緑川「愛を捧げよ」

 

っっぎゃーーー~~!!!!!(声にならない叫び)

さ、さ、捧げさせて頂きますーーーー!!!!

 

 

 

緑川光しか勝たん!という15年以上抱えてきた確信を新たにした

…のに、次の瞬間、緑川が歌い出したら外れててズコーーwww

※二日めは外さなかった!

あ、いや、でも音程とリズムは行方不明になりがちだけど、どの作品でもライブでも、いつもちゃんとキャラの声で歌ってて偉いよ緑川さんは…(キャラ声でなければ音程はもう少し安定するんだろうけど、キャラとしての演技を優先するスタンスなんでしょうね。そしてキャラ声がウィスパー気味だからそもそも歌うのに適してないんだろうなぁ。それでもプリライでは瑛一の声のまま強い声も出してて、あれはいったいどうやって声だしてるんだろ。)

 

そしてカルナイのフライトゥーザフューチャー。

四人揃ってはいないけど、さっきのオンリーワンがあったから、ランランはここにいるんだなって思える…カルナイ歌がうまい…ああ、でもやっぱりやっぱり4人の生ハモが聞きたかったなぁ…、と鈴木氏への複雑ry

 

最後はスタリのウルブラ!

キングダムの火柱バンバンを再現して火柱が上がりまくる!寒さとスタンディングで痛くなってきた腰を気にしつつ盛り上がり、いったん幕引き。

 

 

 

こ、腰が痛い。11月末の夜7時のメットライフドーム寒すぎ。ただの野外。ぜったいバカの作ったドームだろ…(暴言)。女子トイレが少な過ぎて開演前にトイレに50分並ばされたこと、一生忘れんぞ。などとメトドと西武を呪いつつアンコールの手拍子。

 

 

みんながまた出て来てくれて、ウェルカムトゥーうたプリワールドを歌う。

 

♪さあ今ここに始まるメロディー溢れる夢の唄よ…

 

うたプリはこれからも、何度でも新しく始まっていくんだなって、未来への希望を抱かせるナンバー。

 

感染症対策で時間制限があるのでMCは手短に。もっと客席のそばにいく演出がしたかった、声を出して一緒に歌いたかった…と寺島さん。演出にも時間にも制限があるし、コロナで状況が誰にも読めなかったとはいえ、ここまで運営がほんっっっっっっとドタバタして方針が二転三転、プリンセスを振り回し呆れさせ悲しませ、抽選で当たって二人で2daysするはずだった友人なんか、あの運営に金を落としたくない!って怒って今回パスしたくらいだけど(ですよね笑…)…でもこうして開催できて良かったよね。(ただ、演出が地味なのはたしかに寂しいけど、前回みたいなライブ四時間超は長すぎだしトイレ行きたくなるから今回の三時間くらいがちょうどいいと思うw)

 

 

一番最後はみんなでマジラブキングダム!

背景の星空を写すモニターに一瞬走る流れ星。そのあと大写しになる下野さん。映画の再現。こ、心憎い演出ーーーー!

 

 

思い返せばあれは2019年の夏コミ翌日、うたプリのことを何も知らずに物見遊山で入国して予想外に沼ったのが私にとってのうたプリの始まりだった。

それから2年あまり、音ゲーをはじめ、ぬいをお迎えし、ぬいの服を縫い、グッズを集め、部屋に祭壇を作り、ペンラを買い、旧作をプレイするためにSwitchを買い…と、これまで通ったジャンルではやったことのないタイプのオタ活に目覚めた。

そして今日はついに、声優ライブもドームも来たことなくて右も左も分からないのに単独参戦しちゃうくらい、うたプリにいろんなところへ連れて行ってもらった二年だった。

ありがとう。そしてこれからも。

 

最後にキャストが階段上でハートマークを作ってお別れ。

ああ、キングダムのラストシーンだ(涙)。プリライ7th、キングダムだった。

 

 

 

帰路、満員電車とライブの疲れとトイレ予防のため朝から水分をとってなかったせいでの脱水で、気が遠くなりつつどうにか池袋までたどり着いて夕飯食べたらやっと回復。回りの席のお客さんもプリライ帰りw

楽しかったけど、とはいえマジでステージが遠くて、細かいとこぜんぜんわかんなかったのでw、明日(これ書いてたらまた興奮してきたのでもう三時過ぎてて今日だが)の二日目のライビュで細かいとこ見る!さぁ寝ろ!

 

★二日めライビュ細かいとこ捕捉!

・鈴村の新情報タイム、今日また何かあるかと期待したら鈴村が「忘れろビームを打つのでみんな昨日のことは忘れてください」といって客席にビームを打ってからもう一度同じ発表をしたwそんな強引な手法ある?ww

・鈴村「完全新作です!もうある素材の使い回しとかじゃなくって!」。言いかたw

・高所恐怖症なのに気球に乗せられた木村良平、手すりを掴む腕がガッチガチで、悪いけど笑ってしまう。

・内田さん、可愛いお顔をしてるがちょこちょこ帝王感があって瑛二っぽい。にしてもお姉さんにそっくりですね~。あと歌うめ~~~

・一番最後のご挨拶で出トチりして木村良平と盛大に被り、照れまくる高橋さん。笑いをこらえきれない客席。

・アップはやめて!と叫ぶ緑川

・アップで見ると緑川も小野Dも諏訪部もきしょーも老けたね…おじさんたちお疲れ様…

・全員、二日目のほうが出来が良かった。

・だが音響は二日目もダメだった。反省して。

・キャストみんな踊りまくりでビビる。声優さん…ですよね?ありがとうございます。

Twitterで恒例のレポートをしていた諏訪部のアランチャが緑川のルビーノとまさかのフューチャリング。アランチャの股間を隠すルビーノ(真顔)が何度見ても笑える

・現地は池袋からの帰りの電車にもちょこちょこプリンセスが居て楽しかったけど、LV帰りには一人。ああ、終わってしまったなぁ、と実感する。この1か月くらい、緊張感でドキドキしてて苦しいくらいだったのに、終わるとさびしい。でも楽しかった!

さようなら、エヴァンゲリオン。私もこの美しい(こともたまにある)世界で生きていくね。

2021年3月。新劇場版エヴァ、シン・エヴァンゲリオン:||を見た。

 

「マジで完結した」

実も蓋もないけど、一番デカいのはこの感情。
こんなにちゃんと終わると思ってなかった。
だってTVシリーズやってたの95年だぜ?26年前。阪神・淡路大震災サリンの年だよ。
同じ年にやってたのがガンダムWとかでしょ?
これほど長~~い年月を経て、キャス変もなくちゃんと終わったことがもう偉業。
清川さんなんて、もう御年85ですよ。

 


「みんなが大人になれてよかった」

シンジとアスカは、もう大人になれないと思ってた。
いやまあ、大人になった彼らが生きてるのかなんなのかよくわかってないんだけど。
(ラストのあれってどこの世界?シンエヴァの世界じゃないよね?エヴァのない世界って、使途が現れてない、この現実のこと?チョーカー何?)

でも、生死とかは別にして、大人になろう、他人と関わって生きていこうと彼らが思えたことが嬉しくて泣いた。
あれだけのことがあったけど、シンジもアスカも、最後は世界を肯定できたんだなって。


Qの時点で死亡確定だと思ってたクラスメートたちが大人になって生きていたのも嬉しかった。
彼らが、極限状態でも生きることを肯定して、希望を捨てずにもがく姿が村の場面でしっかり描かれていたので、終盤でのシンジ達の決断を祝福できた。
(村のシーンを見ながら、感情移入させといてどうせこのあと盛大に燃やすんでしょ?とか思ってすまんな庵野

すみません、カヲルくんと綾波の存在についてはよくわかっておりません。

 


「ダメな大人どもも救いを見つけられてよかった」

少年少女たち以上に救いがないと思っていた大人どもも、自分の形でそれぞれ救いを見つけて、彼らの物語を終わらせることができた。

 

Qで、たくさんのものを背負ってかたくなになったミサトさんを見るのが辛かったから、最後に本来のミサトさんが見られて嬉しかった。
みっともなく苦しみながら、でもそのつど自分の信じる最良の道を選びとって戦い抜いた姿が、作中随一でかっこいい。
(中の人繋がりだけど)ミサトさんセーラームーンみたいなヒーローだったんだね(世代~!)。
最期の雄姿に泣いた。好きだよ。

 

リツコは内面の成長は別にないと思うんだけど笑、ノータイムでヘッドショットをかませるまでにゲンドウを振り切れてよかったねえ!
エモエモな感じでバンダナを結びあっておきながら、ミサトさんと運命を共にせずさくっと退避するところ、ほんとリツコっぽい。おもしれ―女(最推し)。
母親との確執から母性を信じられなくて、自分は母親にはなれそうにないなんて言ってたリツコが戦後に母親の立場になるんだよね。おもしろいめぐり合わせだなあ。
依存・コントロール・排除の3択くらいでしか他人と接することができない彼女だけど、母親になって寛容や尊重を学ぶかも。リョウジくんすごくいい子だしな。
リツコの変化と成長の物語は、シンエヴァ後の世界にあるのかもね。

 

シンエヴァの冬月先生はユイくんに会いたかったわけではなくて、教え子たち(主にゲンドウ)を手助けするスタンスだったの?
ちょっとよくわかっておりません。

少年期ゲンドウ、まさにシンジの父。ユイのDNAが入ったぶん、シンジくんはゲンドウよりもろもろマイルドになってんだなっていうのが、いやにリアルに理解できたw

 

 

 

 

うーん。

別にエヴァオタってわけじゃないんだけど、TVシリーズのころローティーンだった中年オタクにとって、エヴァは自分の人生の軌道と重なりすぎていて、なんだか客観的に語れない。
登場人物たちが、ただのキャラクターじゃなくて、それぞれ少しずつ自分自身のことみたいに感じる。

 

世紀末のあの頃、時代の不安な空気と自分の心細さの両方を、エヴァはまさしく体現してて、むさぼるように見た。
当時のサブカル界隈に、世紀末にカタストロフが起きてディストピア的な新世紀が訪れるってトレンドがあって、そういう作品は他にもあったけど、エヴァは別格。

 

世紀末のあの頃をひきずってきたエヴァが、とうとう終わった。
新世紀に登場人物たちはみんな大人になって、自分も大人になった。
嬉しいけど、ちょっと寂しいね。
さようなら、エヴァンゲリオン。私もこの美しい(こともたまにある)世界で生きていくね。

 

 


最後に。

けっきょくマリってなんだったの????

うえくみ~~!オレだ!しっかりしてくれ~~~~!

 『f f f -フォルティッシッシモ-』

 

だいもん退団公演である!!!!!!!!!!!!

コロナで延び延びになっていたがついに幕が開いた。

最高峰の歌うまコンビ、だいきほの最後の公演。

演出は劇団気鋭の演出家、上田久美子と生田大和がそれぞれ芝居とショーを担当。

いやがおうにも期待が高まるってもんですよ!!!!!!!!!!

 

………

 

 

なのに芝居が爆死してる~~~~~~~!!!!!!!!!???

なんで!!?うえくみ、しっかりしてよ!!!!!!!!!!!!

 

 

上田久美子先生(以下、うえくみ。宝塚にはウエダという名の演出家が3人もいてややこしい)は、劇団屈指の優秀な演出家である。

オリジナル脚本が書ける。題材探しが上手い。あてがきも上手い。

(宝塚はスターシステムだから、スターにはまり役を用意できる能力が演出家には重要なのだ。)

舞台演出ができて、衣装や美術のセンスが良い。

知性が高く、野心的で、新作のたびに新しい挑戦を見せてくれる。

デビュー作から一貫して幼馴染人妻三角関係悲恋ものしかやらないという謎の信仰の持ち主だが、個人的にはそこも好きだ。

同世代の生田大和先生と並び、間違いなく今後の宝塚を担っていく演出家である!

 

でも今回は失敗――――!!!!!!!!!!!!

うえくみは知性派なので、脚本で致命的にドジることはこれまでなかったのだが、今回は脚本がいかん。

尺が足らなくて、後半ほぼベートヴェンの心象風景になっちゃって観客置いてけぼりの独りよがり。TVシリーズエヴァかよ。どうしてこうなった。

脚本がダメだと、他がどんなに良くてもその芝居はダメなのだ。

 

順を追って説明する。

まず今回の芝居、題材はベートヴェンの生涯と苦悩。

そこは良い。だいもんに似合うし。楽曲使えば盛り上がるし。

そしてナポレオンとゲーテが出る。

ここですよ!!!ナポレオンで失敗した!!!

 

同時代の3つの巨星、ベートヴェンとナポレオンとゲーテを扱ったミュージカル、すっげー面白そうじゃん?

序盤で、「19世紀、フランス革命という炎で熱せられた溶鉱炉のようなヨーロッパ!

その熱に鍛えられた鋼のような3人の男たちがいた!(うろ覚え)」

って台詞とともにドラマティックな演出で3人が舞台に並び立ったときは観ているこちらもボルテージが最高に上がりました。

これからどんな傑作を見せてもらえんのかなって。

 

でもこの3人の話を一幕に収めんのは無理。

登場人物相関図が出たときから、「これは一幕でやれるのか?」と思ってたけど、やっぱり無理。どう考えても無理ですよ。一幕ではやれません。

ゲーテは忠告者みたいな役回りで、そこは良かったんだけど、ナポレオン。

ナポレオンをなんでそんなに大きな役にした。

100周年でイケコが二幕たっぷり使ったナポ礼音ですら尺が足りてなかったんだよ?

ベートヴェンの片手間にナポレオンをやるのは無理って、お母さんあんなに言ったでしょ!!!

(※言ってないしうえくみの母でもないです)

 

 

いや、あのね、個人的にうえくみの作品がすごく好きなので以下擁護になっちゃうんですけど、大きな挑戦したのはわかるし、挑戦の方向性も正しいと思うの。爆死作品には違いないけど、前のめりな爆死。

 

まず作劇法をこれまでとガラっと変えてきた。これには驚いた。

うえくみはこれまでは、芝居と歌のパートがきっかり分かれた、歌劇風っていうのかな?台詞でストーリーを進めていって、合間に歌で心情を盛り上げるという作劇だった。

でも今回はストーリーも歌と踊りで回すミュージカル調になってる。

こういう演出をするのが初めてとは思えないほど、これが上手い。感心した。

 

そして、テーマをスケールアップしている。

これまで頑として幼馴染人妻三角関係悲恋ものしかやらなかったのが、今回は時代のうねりと、そこに生きる人間の苦悩と歓喜を正面から描いている。

まあ、幼馴染人妻三角関係悲恋要素もしっかりとあるんですけども。

でもあくまでもベートヴェンという人物の背景として描かれている。

 

うえくみの芝居って、超・超乱暴にまとめると幼馴染人妻三角関係悲恋ものを台詞のやりとりと静的な演技で見せる芝居なんだけど、この作風だと大劇場の空間は埋められない、とうえくみの大劇デビュー作の星逢一夜を見たときに思った。

でもその後、大劇場で新作を出すたびに、うえくみは新しい演出を取り入れて大劇に自分を適応させてきた。

そして今回はこれまでになく思い切った挑戦を二つもやった。現状、ファンにわりと人気がある演出家だと思うが(好き嫌いは分かれるみたいだけど)、地位に安住しないうえくみのの気概、知性、野心、心から評価したい。 

 

でも、大事な大事なだいもん退団公演だよ!!!!!しっかりしてくれ、うえくみーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!

 

うえくみ、好きです。

 

 

 

 

良かったポイントも書いときますね。

まずあてがきがぴったりで、各人の人物描写が良い。

だいもんベートヴェンの童貞コミュ障ぶりが笑いを誘いつつも痛々しくて、その塩梅が見事。憧れのゲーテ先生に会ってはしゃいじゃった陰キャオタクのベートヴェンが一方的にしゃべるシーンはリアリティがありすぎて、同類として胸が痛いほどでした。ゲーテ先生のお話ちゃんと聞こ?

性格キッツそうな謎の女きいちゃん、苦悩するナポレオンさきな、大きな知性を感じさせるなぎしょゲーテ、故郷ボンの暖かい空気をまとうあーさ&ひらめ夫妻ら番手スターたちもだし、美しいが意志の弱そうな恋人ジュリエッタ夢白、やんちゃで奔放なモーツァルトみちる、宮廷での道化的立ち回りの上手いサリエリあす、気高いアントワネットゆきの等等、脇までしっかりとはまり役で、世界観に説得力をもたせつつ、みんな魅力的だった。

劇中劇の若きウェルテルの悩みの登場人物をダンサーとして象徴的に出したり、天界組のコミカルな場面をさしはさんだりと、いちいち演出が心憎い。

コロナ対策で今はオケがいないんだけど、からっぽのオケボを、まさにベートヴェンが指揮をする場面の舞台装置として活用する演出にも脱帽。か、賢い…!

特に冒頭の沸き立つようなエネルギーを感じる一連の演出は心が躍りました。

脚本はもうほんとダメなんだけど、パフォーマンスのレベルは高いし、演出は良いので、見ていてしんどいとかではない。

 

 

生田大和先生の記念すべきショー初挑戦作品『シルクロード~盗賊と宝石~』は良かった!

衣装の趣味が良いし、どの場面も華やか。菅野よう子の楽曲もヅカの舞台にぴったりと合っていた。

しょっぱなきぃちゃんが「愚かなる結末~♪」とのたまいながら冷たい笑みを浮かべてゴンドラで降りてきたときは興奮のあまり笑いが出てきたし、サイケなインドのシーンは「インドの神様ってこんな感じだよね」という謎の説得力に満ちていたし、「僕とだいもんのメモリー」と言わんばかりのバンドネオン上海のシーンがクッソかっこよかった!きぃちゃんの歌が超クールで、雪組の誇るモデル系美女軍団がチャイナドレスで踊ってるし男役もチャイナでガンガン踊ってるし彩彩だしな。あやなと縣をシンメで踊らせまくってくれて感謝しかない。

生命の樹?のシーンはちょっとわかりませんでしたが…あと退団ぽさは燕尾とデュエダン以外ゼロのショーでしたが…そして恐らく生田先生のやりたいことをすべて盛り込んだ結果、構成に緩急の急しかなくて、1時間ひたすらにウニとステーキとケーキと唐揚げを口の中に交互に押し込まれ続けるような、息継ぎもできないショーでしたが…。でも最高でした。ありがとう生田先生。またショーやってください。あと、バッディが好きなので、うえくみもまたショーやってください。 

ヒプマイ。愛か、消費か。

ヒプマイことヒプノシスマイクの4th Live @大阪城ホールのライビュに両日参戦してきた。いや~~~超たのC!



「音楽原作」ヒプマイの最大の魅力である楽曲を存分に堪能しつつ、声優さんたちのキャラとしての芝居を楽しみ、ライビュ会場の盛り上がりを体感していい汗かいてきた、終演後にTwitterやインスタでキャストや参加者の投稿を見るのも楽しくて、何時間もSNSを見てしまう。愛に溢れたレポや萌えで死んでいる人に共感できるのがすごく楽しい。でもその中に、気になる投稿があった。


 


“新ディビ発表で、今のままで楽しめます?って言われて盛り上がる客席に、ステージ上の12人の味方は1人もいなかった。消費されてるのを見せつけなくてもな~”


 


こんな趣旨のつぶやきだった。


 


ああ~~…ごめん…


心当たりがありすぎて反省した。キャストの皆様、すみませんでした。



補足すると、全キャストが渾身のパフォーマンスを終えてステージ上に揃っているところで、作中のキャラクターに扮した別のキャストさんが登場、客席にむかってお芝居を始めて、「皆さんは今のままで楽しめますか?そろそろこの刺激にも飽きてきました」っていう台詞(うろおぼえ)から追加新キャストを発表するという演出だったのね。会場はもうココイチの盛り上がりで歓声と絶叫が飛んでて、私もギャーギャーと大興奮だったんだけど、現行キャストの皆さんにたいへん失礼でした。ほんとにすみません。



だってステージ上にいるのは二次元キャラじゃない、生身の役者さんだもん。段取り済の芝居とはいえ、この展開で客席が大盛り上がりしたら、自分が否定されたようでいい気はしないよね。



新しい展開があるのが単純に嬉しかったのであって、今の12人のキャストに飽きたりはしていない。でも、もし実生活のなかでこういう場面があって、自分の反応が相手に分かる距離に当事者がいたら?気を使ってあからさまに喜んだりはしないはずだし、「飽きてませんから!」ってちゃんと伝えるようにする。それなのにあの瞬間そういう人間としての礼儀がとっさに出なかったってことは、自分がキャストの皆さんをコンテンツとして消費してるんだなぁ~って遅まきながら気が付いた。ごめんなさい。


 


初期のころからあちこちですんごい言われてるけど、ヒプマイは世界観がえげつない。女尊男卑の近未来ディストピアで、男同士のバトルが女の娯楽として消費される世界。ただ、そのバトルが「殺傷能力のあるラップ」で行われるというのが爆笑すぎて、真剣にとらえてなかった。殺傷能力のあるラップってwマルハゲを強要する暴虐な帝国を倒すために鼻毛真拳で戦うくらいナンセンスで可笑しい。このスタンスはそれほど間違っているとは思わない。現実世界のジェンダー格差や搾取の問題を無視してはいけないけど、ヒプマイはフィクションだから。


 


でも今回、ヒプマイ公式(たぶん何も考えてない)はライブにこのえげつない設定をぬるっと持ち込んで、生身のキャストと客を巻き込んだ。飽きたって言葉を台本に使って、ファンがキャストを消費する構造を公式が煽ったわけで、これはヤバい、よくない。ヒプマイはこれからも楽しむけど、オタクとして襟を正し、敬意をもって作り手に向き合うように気を付けます。

信仰をこじらせた茶の間、イベントで死す

贔屓は生きている人間ではあっても、自分とは存在する次元の違う尊い存在であって、贔屓が自分と同じ世界線に存在するのは解釈違い地雷。そんな信仰上の理由から、接触のあるイベントにとんと参加してこなかった。


だがヅカでとりわけ贔屓にしていた娘役が退団して1年半、SNSで動向を負うだけで、芸能活動をする彼女を一度も見に行けていないことに焦りだした。贔屓は小規模のトークイベントなどを中心にしたたいへんのんびりした芸能活動をしているので、上の理由により足を運んでいなかったのだ。そんなときに、贔屓が50人くらいのハコではじめての単独イベントをするという。演目は朗読とお歌。見たい、と思った。

 

だが問題がある。ハコが50ってことは、まず間違いなく贔屓の網膜に私が映ることになる。それも、けっこう顔とか服装とかが判別できる距離で。あの世界一美しい女神の網膜に私ごときミジンコが…?そんなこと許される…?無理でしょ…?

 

アイドルの握手会で認知もらった、みたいなドルオタの方のレポートを見ると部屋の隅でガクガク震えて命乞いしだすようなオタクである。信仰がこじれすぎて、認知どころか贔屓の視界に自分がよぎる可能性を考えただけで無理すぎて床を転がり回りそうになる。

 

だが、いつまでもあると思うな推しと金という格言もある。贔屓の芸能活動は、正直なとこ活発ではない。事務所すぐ辞めたし。加齢により魅力が衰えるタイプの容貌ではないが、宇宙一の美貌の彼女もぼちぼち●歳、本人ののんびりした性格的にも、これから猛烈な芸能活動を、という感じではないのだろう、たぶん。だからこそ今、初めての単独イベントにがんばる彼女を1ファンとして心から応援したい。なにより見たい。でも…いや…しかし…。そんな感じでイベント告知から数日悩んだ末、思い切ってチケットを取った。

 

精神的なストレスから逃避するため、当日までできるだけイベントのことを考えないようにして生活。こういうイベントに着ていく服がわからなすぎたが、無難さを最優先して綺麗めの形に地味なカラーリングの服で会場へ。シャンソン中心の上品なライブハウス兼バーみたいなハコは、めでたいことに満席。椅子がぎゅうぎゅうに入っている。50定員だが増やしたのかも。お席は後ろのほうの見やすい席。近すぎなくてよかった、命拾いをした。

 

開始時刻になって照明が落ち、カーテンの向こうからいよいよ贔屓(1年半ぶり)が登場。意外なことにお着物姿。似合う。美しい。演目に対する感想はほどほどにするが、1部の朗読には引き込まれた。贔屓の芝居がとても好きだ。声もいい。2部のお歌とダンスとMCの美しさ可愛さ。歌唱そのものは、現役時代から相変わらずだけど、まぁ、あの、アレだ、独特。だが贔屓の光輝く美しさと、おっとりとした、しかし頑張り屋さんな性格の品のある可愛らしさに脳を焼かれて終了。途中で贔屓が席に回って全員にチョコを配ってくれたが、歌のパフォーマンスをしながらだったから、こちらもノリのよいモブとして振舞えたと思う。上出来上出来。最高に楽しかった~来てよかった~!さ~て物販して帰るか…と思ったらお見送りがあるという。

 

…はい?

 

いや、はい???

 

もうすっかりその可能性が頭からスコーーーーーーンと抜けていた。
いちおう弁解すると、ヅカでも男役はお茶会でお見送り&握手などがあるが、娘役は男性ファンとの近距離での接触がNGなのでお見送りは無いらしい、というのを前に聞いたことがあったので(本当かは知らない)、OGもそうなんだろうとなんとなく思い込んでいたのだ。んなわけあるか。

 

いやいやいやいや…え…いや…無理でしょ…

 

いっそ逃げたいくらいだが、唯一の出口には贔屓が立ちふさがっている。近いわ。他のお客様は慣れているのか(そもそも彼女のFCに前から入っている方も多いだろうし)楽しそうに贔屓と会話している。こちとら何を話せばいいのか検討もつかない。贔屓と会話するどころか、贔屓が自分と同じ高さの床に立っているという状況だけでもう死亡しそうなレベルにてんぱっている。なにこれ拷問?

 

結果として、贔屓に精いっぱい、今日とても楽しかったこと、またイベントがあれば必ず来たいということ、素晴らしい時間を送らせてくれたことの感謝を伝えた。でも気持ちを伝えるのでいっぱいいっぱいで会話になんなかった。ごめん。ほんとごめん。答えやすい話題とかを振れればよかったんだよね…ごめ…ごめ……

 

 

天に上りそうな興奮と幸せと、地核に永遠に埋まりたいほどの反省と自己嫌悪を同時に抱きながら帰宅。翌日、激しい頭痛とともに目覚めたら知恵熱みたいなものが出ていた。贔屓は健康に良いというのは世界の常識だが、過剰摂取をすると毒にもなる、そんなことを学んだイベントだった。