ヒプマイ。愛か、消費か。

ヒプマイことヒプノシスマイクの4th Live @大阪城ホールのライビュに両日参戦してきた。いや~~~超たのC!



「音楽原作」ヒプマイの最大の魅力である楽曲を存分に堪能しつつ、声優さんたちのキャラとしての芝居を楽しみ、ライビュ会場の盛り上がりを体感していい汗かいてきた、終演後にTwitterやインスタでキャストや参加者の投稿を見るのも楽しくて、何時間もSNSを見てしまう。愛に溢れたレポや萌えで死んでいる人に共感できるのがすごく楽しい。でもその中に、気になる投稿があった。


 


“新ディビ発表で、今のままで楽しめます?って言われて盛り上がる客席に、ステージ上の12人の味方は1人もいなかった。消費されてるのを見せつけなくてもな~”


 


こんな趣旨のつぶやきだった。


 


ああ~~…ごめん…


心当たりがありすぎて反省した。キャストの皆様、すみませんでした。



補足すると、全キャストが渾身のパフォーマンスを終えてステージ上に揃っているところで、作中のキャラクターに扮した別のキャストさんが登場、客席にむかってお芝居を始めて、「皆さんは今のままで楽しめますか?そろそろこの刺激にも飽きてきました」っていう台詞(うろおぼえ)から追加新キャストを発表するという演出だったのね。会場はもうココイチの盛り上がりで歓声と絶叫が飛んでて、私もギャーギャーと大興奮だったんだけど、現行キャストの皆さんにたいへん失礼でした。ほんとにすみません。



だってステージ上にいるのは二次元キャラじゃない、生身の役者さんだもん。段取り済の芝居とはいえ、この展開で客席が大盛り上がりしたら、自分が否定されたようでいい気はしないよね。



新しい展開があるのが単純に嬉しかったのであって、今の12人のキャストに飽きたりはしていない。でも、もし実生活のなかでこういう場面があって、自分の反応が相手に分かる距離に当事者がいたら?気を使ってあからさまに喜んだりはしないはずだし、「飽きてませんから!」ってちゃんと伝えるようにする。それなのにあの瞬間そういう人間としての礼儀がとっさに出なかったってことは、自分がキャストの皆さんをコンテンツとして消費してるんだなぁ~って遅まきながら気が付いた。ごめんなさい。


 


初期のころからあちこちですんごい言われてるけど、ヒプマイは世界観がえげつない。女尊男卑の近未来ディストピアで、男同士のバトルが女の娯楽として消費される世界。ただ、そのバトルが「殺傷能力のあるラップ」で行われるというのが爆笑すぎて、真剣にとらえてなかった。殺傷能力のあるラップってwマルハゲを強要する暴虐な帝国を倒すために鼻毛真拳で戦うくらいナンセンスで可笑しい。このスタンスはそれほど間違っているとは思わない。現実世界のジェンダー格差や搾取の問題を無視してはいけないけど、ヒプマイはフィクションだから。


 


でも今回、ヒプマイ公式(たぶん何も考えてない)はライブにこのえげつない設定をぬるっと持ち込んで、生身のキャストと客を巻き込んだ。飽きたって言葉を台本に使って、ファンがキャストを消費する構造を公式が煽ったわけで、これはヤバい、よくない。ヒプマイはこれからも楽しむけど、オタクとして襟を正し、敬意をもって作り手に向き合うように気を付けます。